カードゲーム備忘録⑤ 『ダスクモーン:戦慄の館』メカニズム考 後編

こんにちは、カタストです。前回に引き続き、『ダスクモーン:戦慄の館』のメカニズムについて考察していきたいと思います。前編を見てない人は先に見てからの方がいいと思います。

catast1669.hatenablog.com

そういえば、前編を書き終わって直後の事なんですが、晴れる屋さんが出しているメカニズム解説記事を拝読しまして、流石にMTGに精通している方々が生業として書いている記事だけあり、少ない文字数で私より深掘りしている文章でしたね。この記事の存在意義を問われている気がしました。

その中に、私が前回メタクソに叩いた「兆候」について小技が紹介されていましたね。兆候状態のカードを明滅させるとクリーチャーとして戻ってきます。これは『普通はクリーチャーだけど、エンチャントとして場に出すことも出来る』兆候ならではのギミックでしょう、場に出た効果も再利用できるし有用かも知れませんね。

何から何まで『晴れる屋』さんに乗っかるわけにはいかんので

これにより私の「兆候」への評価はEからDぐらいにはランクアップしました。ホープフルステークスにギリ負けるぐらいのレベルでしょうか。スタンの範囲だとエンチャントを出し入れするカードが現状かなり少なくてですね・・・ちゃんとギミックに押し上げられるように見えないのが本当に救えません。

たまに出合ったら『お、それ記事で見たやつじゃん、かわいいね』って言ってあげてください。

という事で、前回紹介しなかったメカニズムを考察していきましょう。

生存

生存とは『第二メインフェイズ開始時に、タップ状態なら効果が誘発する』という能力です。効果の解決時にアンタップ状態だと効果が誘発しなくなります、うっかりアンタップ効果を戦闘中に使ったら起動しなくなるのは覚えておきましょう。

『サバイバー』って書くとデュエマ爺が反応する。

このメカニズムが強いかどうかは、『タップする手段がどれほどあるか』に大きく左右されますね。生存持ちが顔を殴りに行って生還するのが何度も続くようならそれはもう勝ちでよろしいので。

その点で言うと、かなりやり手になるような気配はしてますね。クリーチャーを任意にタップし続けられるボロス召集が前環境の覇者だったのは記憶に新しいかと思います。

《内なる空の管理人》《イーオスの遍歴の騎士》辺りはまだスタンで使えるので、生存起動のタネにし続けるだけでリソースが途切れなくなるので、生存で発動する効果次第ではボロス召集がひょっこり顔を出すかもしれませんね。

ボロスは横並びの色だったはずなんですけどね

その他にも「乗騎」、「搭乗」などがまだ現役なので、タップする手段には事欠かないでしょうね。

あと忘れがちになるのが『別に殴ることで起動してもいい』ということ。相手のライフを攻める行動にボーナスがつくので、生存持ちを攻撃に使ってちゃんと生存させるのが一番強いんですよ。このため、生存持ちにコンバットトリックを当てたり、回避能力を付与することには大きな意義が生まれるはずです。

その上での注目カードが《微風の歌い手》です。自身が召集を持っているため唱える際にクリーチャーをタップさせることができるうえ、召集のタネにした生存クリーチャーに飛行を付与できるため、以降は殴りで生存起動を狙う事が出来るようになります。

後続が続かないという点が騎士との大きな違いだった

生存を起動する方法として、ここまで都合のいい存在はそうありません。同期の《遍歴の騎士》の後塵を拝してきた彼はこのお膳立てを受けて活躍することは出来るのか?今から楽しみですね。

違和感

変な家・・・ではなく、変な屋敷で「違和感」を見つけるメカニズムです。多分同じことどっかで誰かが言ってます。

肝心の内容は『エンチャントが場に出るか、部屋一つが完全に開通する時に能力が誘発する』というもの。誘発条件としては、星座能力にオマケがついたような感じですね。

1マナのカニにはロクな奴がいないことがわかった。

さて、白状しますが、この「違和感」こそ今パックで一番注目するべきメカニズムだと思ってます。そう思う理由は『誘発条件の緩さ』です。

まず、今回のパックは随所にエンチャントがちりばめられています。フィーチャーしてんだからそりゃそうなんですがね。1,2マナのエンチャント・クリーチャーなんてザラで、0マナで場に出る土地・エンチャントである《ヴァルガヴォスの棲み処》も登場しており、1ターンに2,3回誘発するのは当たり前と言える領域です。

ここまでは前提であり、現スタン環境を見渡してもエンチャントを自然とデッキに組み込むことができるのも大きいです。1マナで影響力の大きいエンチャントである《望み無き悪夢》《無鉄砲》、意識すれば大量にばら撒く事さえ可能な役割・トークン、終盤にはフィニッシャーとして振る舞う事が出来る《才能》サイクルなど・・・。スタンダードでは長い時間をかけてエンチャントを横並びする機会をずっと待ち望んでいたわけです。

テーロスでもないのにエンチャントが並ぶ並ぶ

星座デッキならぬ「違和感デッキ」を組むことも可能そうなレベルで、非常に層が厚いカード群です。上に挙げた《掻き回す頭蓋蟹》でさえ、違和感を覚えさせ続けるだけで相手を憤死させることができるんです。変に影響力の大きい「違和感」が出れば、ちゃんと支配的な強さになるんじゃないでしょうか?違和感を持つカードは常に目を見張るようにしましょう。

因みに、「違和感」のもう一つの誘発条件である『部屋が完全に開通したとき』ですが、こちらの誘発条件はかなり空気寄りです。『軽い面』と『重くて強い面』に分かれることが多そうな部屋カードは、複数回誘発させることが前提になりそうな「違和感」とイマイチ噛み合いません。部屋を開通させるようなデッキなら、その部屋のスペックをしゃぶりつくすようなデッキにしたいはずなので、開通させる機会も多くて1回になると思いますしね。

ということで、「違和感」は疑似星座と呼ぶべきキーワードかと思いますが、それを差し引いても非常に強力なギミックになるんじゃないでしょうか。

《永劫の》サイクル

君本当に本人?ショーケース版と結構印象違うね?

正確にはメカニズムではないのですが、オマケとして現状判明しているサイクルも紹介していこうと思います。

永劫サイクルは、逆「兆候」とも呼ぶべき、一回クリーチャーとして場に出て、死亡したときにエンチャントとして場に出るサイクルになります。現状これらの公開されているカードはシステムクリーチャーのような挙動を見せます。

当然ながら、クリーチャー・エンチャントよりエンチャント単品の方が除去されづらいわけで、単純にこのカードを完全に無力化するには2枚の除去を当てなければならないわけです。システムとしての信頼性はかなり上に位置するでしょう。永劫の名前は伊達ではありません。

反面、クリーチャーとしての性能はお世辞にも高いとは言えません。このカードを活かし続ける理由はあまりないわけですが、現在のスタンダードには《骨化》《太陽降下》など破壊に頼らない除去も豊富です。サクり台などを用意できるといいのですが、現在公開されている《永劫》カードはそこまでサクり台と相性良くないのが困りもの。

《永劫》が満たすコンセプトにどこまで殉じることができるかのチキンレースが始まりそうな予感がしますね。

 

ということで、駆け足になりましたがDSKのメカニズムを考察してきました。

繰り返しになりますが、これはあくまで現状のカードプールとメカニズムの考察ですので、新カードそのものの強さに強く言及しているものではありません。今後新カードで強力なものが出たり出なかったりしたからと言って、私のせいにされるのは結構困ります。

そもそも、他人の意見に流されず、確固たる価値観を持ってプレビューを見るのが精神衛生上良いみたいな話もありますしね。真に魅力的なカードを握るのが一番ストレスフリーなんですから。

ということで、考察を垂れ流してきました。プレビューは始まったはかり、新カードを心待ちにすることにしましょう。

カードゲーム備忘録④ 『ダスクモーン:戦慄の館』メカニズム考 前編

こんにちは、カタストです。

いやぁ、発表されましたね『ダスクモーン:戦慄の館』。ストーリー、イラスト共にサスペンスホラーじみた、いい雰囲気のパックです。公開されているカードも中々粒ぞろいなんじゃないでしょうか。

さて、今回はダスクモーンで登場したメカニズムについて考察していきます。

あくまでメカニズム、です。カードそのものの強さについて語ろうとするには流石に公開されてないカードが多すぎますからね。カード単体には極力触れないようにしていき、『メカニズムとしてどれぐらい強力か』『既存のカードプール(スタンダード)とどれほどマッチするか』の2点を中心に語っていけたらなぁと思います。

恐怖の館で生まれた機構について深掘りしていきましょう。

兆候

新たなアバター。アラタ―

兆候Xとは、『X個のカウンターが置かれた状態で場に出て、ターン終了時にカウンターを1個取り除く。全部取り除いた瞬間にクリーチャーになる』という能力。待機の亜種とも言えますし、エンチャントからクリーチャーになる辺りは神にも近いかも知れませんね。アバターって原義的にもMTG的にも神に近しいですし、意識してる可能性はあります。

現状・・・というかおそらく、神話レアのアバター・ホラーが各色1枚ずつ持っているカードであり、見たところ兆候4で統一されてそうな雰囲気ですね。つまるところ『3ターン後の終了ステップにデカブツクリーチャーになる』って書いてありそうです。

さて、このメカニズムについての感想ですが『あまり魅力を感じません』。冷静に考えて3ターン待ってクリーチャー出るだけなんですよ。そこまで時間かけられたらクリーチャー化した瞬間破壊されるか、クリーチャー化する前に破壊されるか、自分のライフが削り切られるかのどれかだと思いません?一応ETB能力こそ誘発しますが、現状公開されている範囲だと、コスト論的には兆候コスト相応か、少しコストより低いのがネックだと思います。

現代のカードってかなり強力になっていますが、それは単に性能が上がってるというだけでなく、多様な使い方が出来るカードが増えてきてます。つまり、メインデッキに入れることを許容できる置物除去もそこそこあるんです。待機と違って、兆候として使うと『場に出てしまう』というのがネックになってしまいます。名目コストが高いのもネックで、発見でめくれてもスルーしてしまいます。待機って本当にダメな事してたんだなぁ

エンチャントってだけでそこそこ弱いのに・・・

アタック時能力を持つのに、クリーチャーとして顕現するのが自分のターン終了時なのもそこそこ残念ポイントだと思います。ターン開始時に出てインスタント除去を当てられるのはまだ仕方ない感あるけど、重役出勤しておきながら《太陽降下》すら避けられないのは現代環境ナメてるとしか思えませんね。今からでもカウンター取り除くタイミングをアップキープ開始時にしませんか。出て来るのが1ターン遅くなるけどアタック時効果を即時使えるんですよ。或いは元々兆候がそういう能力だったけどインビシブルナーフされた可能性もあるんでしょうか?だったら兆候の数字増やす形で対応しそうなものだが

新カードタイプ『部屋』

分割カード見るたびに「テキスト欄狭いなぁ」って思う

新たなカードタイプ『部屋』は、どちらの半分でも唱えることが可能なカードです。そして場に出た後、もう半分のコストを支払う事で、双方の効果を支払う事が出来ます。

このカードでいうなら、《人形作家の店》としていったん出した後、《陶磁器ギャラリー》のコストを払う事で、両方の効果を持ったエンチャントになるわけです。一旦軽めのパーマネントとして場に出しておきながら、余裕が出たときにバリューを上げられるわけですね。こんなカードタイプ、なにか既視感を覚えませんか?

こんな見た目して職場は溶鉱炉

現スタンダードの覇王、《才能》たちですね。

『部屋』はレベルアップの段階は1つしかない代わりに、軽い面と強い面どちらを先に出してもいい柔軟さが売り。まだ部屋の公開カードは1種しかありませんが、その《人形作家の店/陶磁器ギャラリー》は両方起動出来たらまぁまぁゲームを終わらせられるところまでそっくりです。

明確に『軽い面』&『重くて強い面』に分けられるカードタイプなのかはこれからのプレビューを待つことになりそうですが、現状はかなり好感触。現スタンが結構後ろに寄っている環境なのも併せて、部屋を繋げられる機会は多そうで、要チェックなカードタイプになりそうです。ただ、置物除去に弱いのは悪しからず。先ほども言った通り、置物除去もハイレベルなのが揃っているので、部屋だけに頼ったデッキにならないように構築を心がけたいですね。

ところでこれ、テーブルトップだとどうやって部屋の状態を管理するんでしょう?1枚のカードで『面A』『面B』『開通済み』を全て表せなきゃいけないんですが、カードの向きとかでどうにかするつもりなんでしょうか。変にカードを触ってクルっとしたら事故の元なんでしょう、きっと。

戦慄予示

白1マナでインスタントでクリーチャー万能破壊ってだけで語る事あるのに

戦慄予示とは『ライブラリの一番上にあるカード2枚を見て、片方を墓地に置き、もう片方を裏向きのクリーチャーとして場に出す』という効果です。裏向きクリーチャーは予示よろしく、0マナ2/2無色のバニラクリーチャーとして扱うことになります。クリーチャー・カードを予示した場合、表面のマナコストを支払う事で表向きにすることも可能です。
まぁキーワード名に予示って入ってる辺り、評価も予示と同じです。このメカニズム自体は大分使い物にならないと思いますよ。

そもそも予示や変異の上位種が強いんだとしたら、『カルロフ邸殺人事件』で登場した偽装や変装が現スタンでもう少し頑張ってなきゃいけないんですよ。どうです、彼らのザマは。表舞台に出てこなすぎるせいで変装コストで出した瞬間『お?あのデッキで使われてる変装なんてアイツぐらいしかいないだろ!』ってほぼ丸わかりな始末ですよ。変装のテイなしてないよ!

ぶっちゃけどっちかでしょ?

これらのカードとコンボを為すには、変装持ちのクリーチャーにやる気が感じられなさ過ぎて、変装持ちクリーチャーとコンボを決めたところで勝てません。勝てないコンボをデッキとして成立させようとする勇気は私には無いですね。

戦慄予示の特色として『上から2枚見て、予示しなかった方を墓地に落とす』というのがありますが、上から見る枚数は少ないし、墓地肥やしとして見るならもっと都合良いカードがいくらでもあります。

『軽いデメリット持ち巨大生物を踏み倒す』という選択肢もなくはないですが、条件に合致するのは《ドロスの魔神》ぐらいで、あっちは別に予示のサポートを必要としてないという無情さです。

戦慄予示を何かのついでに行うのでなければ、戦慄予示が救われるには『継続的に戦慄予示を行うカードが軽量マナで裏向きカードを表向きに出来る』ぐらいの都合がいいカードがないとお話にもなりません。戦慄予示の明日はどっちだ。

今回はメカニズム考なので、カード性能にはなるべく触れません。

 

どうでもいいことですが、このメカニズムもテーブルトップだとどうするんですかね。裏向きギミックが複数スタンに同居してるんですよ。もし何かまかり間違って裏向きデッキが覇権をとってしまったら『そっちは戦慄予示したクリーチャーでしたっけ?』『ちょっと表見て判断していいですか?・・・あ、こっちは偽装したクリーチャーなんで護法持ってますね』みたいな間抜けなやり取りがそこかしこで起こるんでしょうか。対戦のテンポを守るためにも予示には弱くあって欲しいものです。なんてひどい結論なんだ

 

今回はここまで。次回は残りのメカニズム、そして他のサイクルなどにも触れていきたいと思います。

話題とモチベーションが尽きないうちに投稿できるように頑張ります。

カードゲーム備忘録③ 遊戯王MD 水風フェス ~フェス対応ふわんだりぃず~

こんにちは、カタストです。

いつもはMtGアリーナのデッキを紹介してますが、今日は趣向を変えて遊戯王マスターデュエルのデッキについて話そうと思います。

遊戯王マスターデュエルでは月ごとに特殊なレギュレーションでデュエルを行うフェスを行っています、現在のレギュレーションは入れられるモンスターが水属性と風属性のみに限定されているWater&Windフェスを行っています。

まぁMDのフェスって新パックで強化されたテーマを黙って使えばそこそこ勝てるようにできてます。今回で言うと【氷結界】や【ゴーティス】がそれにあたります。勝つためには買わなければなりません、世知辛いですね。でもゴーティスは《灯魚》使えないんだよな

とはいえ、マスターデュエルについてはつい最近復帰したばかりなので、資産があんまりないんですよね・・・。

とはいえ、レンタルを使うのは性に合わないんですよね。100%の出力にはどうしてもなっていないのと、自分の手に馴染むように汎用札を調整したりできないので。ここは好みの問題かもしれませんが。

そこで、今回は『フェスのレギュレーションに対応していて』『それなりに安く組めて』『ちゃんと勝つことができるデッキ』として【ふわんだりぃず】を紹介していきます。

デッキ紹介

それでは最初にデッキの全体像をお見せします。その後、個別に紹介することがあるカードに移りましょう。スマホなどで見にくいひとのために、文字ベースのリストも後述します。

さて、遊戯王に長らく触れている方にはおなじみでしょうが、【ふわんだりぃず】というテーマは現代遊戯王の原則に反し、一切の特殊召喚を行わず、1ターンに複数回の召喚を行う事で展開を行っていきます。

そのため、特殊召喚に対して睨みを利かせるカードを一切気にすることなく行動することが可能です。一番メジャーな《増殖するG》こそフェス内では会う事はありませんが、今回のフェスの頂点には【氷結界】がいます。ちゃんとこのテーマの強みは活きていますね。

よっこランセア

しかし、このテーマに瑕疵が全くないわけではありません。通常リミットレギュレーションと異なり、《ふわんだりぃずと旅じたく》がないことで安定性に欠け、《霞の谷の巨神鳥》が居ないことで盤面の制圧力も今一歩及びません。

これらは通常マッチでは使えます

そこで、欠けたそれらの枠に対して、汎用カードなどを埋めることで補ったのが冒頭の構築になります。通常の【ふわんだりぃず】の構築についてはこれまで数多くのリストが出てるでしょうから省略して、それらフェス独特のカードに紹介を絞っていこうと思います。

《ジャック・イン・ザ・ハンド》

遊戯王あるある:汎用カードに映っているカテゴリでは使われない

レベル1テーマと相性の良いカードです。《旅じたく》が来る前に採用していた構築もあったので、再度このカードに白羽の矢が立つことに。ほとんどの場面で『デッキから星1モンスターを3体選び、2番目に欲しいカードを手札に入れられる魔法』という効果になるはずです。

とはいえ、このテーマにおける1枚初動は《ふわんだりぃず×ろびーな》のみなので、この事を知っているプレイヤーを相手にすると《ろびーな》を相手に先に取られてしまいます。他のふわんだりぃずと一緒に引けていると、《いぐるん》でも《ろびーな》でも動きを通せるようになるので、そうなるように祈りましょう。

《積み上げる幸福》

2枚ドローという名の劇薬

強いテーマでは非常に強く使える一枚です。2枚ドローなんだから当たり前だよなぁ。

とはいえ、本来【ふわんだりぃず】ではこのカードより強力な札が多数あり、このカードを採用している構築は見たことありません。フェス特有のそこまで厳しくない制圧力とゲームスピードだから成立するカードです。

【ふわんだりぃず】はデッキ分類的にはコントロールに当たるのですが、《巨神鳥》が禁止になったことで制圧力が不足し、別個アドバンテージを確保する手段が欲しくなったという都合で採用に至りました。

因みに『チェーン4以降に発動できる』という条件の都合上、このカードの前に3つのチェーンを挟まないとこのカードの発動は出来ないわけですが、それはこのデッキだとそこまで難しい条件ではありません。

【ふわんだりぃず】がちゃんと動けているなら除外状態のふわんだりぃず下級が2体いるはずです。その状態で下級を召喚したならば

召喚時効果(チェーン1)⇒1体目の除外からの帰還効果(チェーン2)⇒2体目の除外からの帰還効果(チェーン3)

で発動条件を達成します。これが出来てるって事は盤面に最上級モンスターが1体居るはずなので、これが決まるようなら大体勝ちます。ふわんだりぃずは《謎の地図》経由で相手ターンにも召喚が可能なので、相手ターンに2枚ドローを決められます。大体の場合これで汎用カードを引き込んで相手をもみくちゃにするわけです。

後手をまくるためのカード達

フェスでは(一部のテーマを除き)強固な制圧盤面を築かれることはありません。何でも無効に当たるカードは《コズミック・ブレイザー・ドラゴン》ぐらいで、現にフェス環境トップの【氷結界】ではどちらかというと耐性をガチガチに固めて、相手の盤面破壊などに対して無視や貫通を決め込む形で先行盤面を築きます。

これらに対してリリースによる除去や、コントロール奪取によって相手の耐性に正面から付き合わないで貫通を図ったカード達です。

《帝王の烈旋》は先ほども言った通り相手の盤面を貫通するためのカードでありながら、速攻魔法ゆえ相手ターンにおける妨害としても機能させることができます。

《心変わり》は相手のカードを奪ってしまい、アドバンス召喚の生け贄にしてしまうことで、まず相手に返すことはないような立ち回りが可能です。《ランセア》を奪う事で離れた時の効果を誘発させることなく除去が可能だったり、《相剣大公―承影》を奪う事であちらの妨害効果を逆に利用してやったりと非常にいやらしいプレイングが可能です。

ふわんだりぃずのテーマ内に足りなかった後手についてかなり強烈な回答をしてくれたカード達になっていて、特に《心変わり》はフェスに限らない可能性を感じた1枚になっています。なお拮抗勝負は本当に存在を忘れてました

デッキの動き方・改造案など

基本的な動き方に関してはフェスになったからと変わることはなく、死ぬ気で《ふわんだりぃず×ろびーな》か《謎の地図》を通します。

このデッキの純然たる1枚初動は《ろびーな》だけで、《謎の地図》は手札誘発や制圧盤面を掻い潜れる可能性を持ったほぼ唯一のカードです。《ふわんだりぃずと夢の町》がなくなったことで、この2枚(特に《謎の地図》)への依存度はかなり上がりました。

先行で《えんぺん》を立てて《謎の地図》を添えられたらまぁ勝ちと言って差し支えないのですが、《旅じたく》禁止により安定性が低くなったことで毎試合決まるというほどでもないのが世知辛い所。

そこで、改造案としては『汎用カードによって先手の択を広げる』か『後手まくりを意識する』になるわけですが、実はこのデッキ後者については割とクリアしてます。

先ほどお見せした《心変わり》をはじめとする後手まくりカードたちに加え、【氷結界】の盤面によく添えられている《ランセア》については《烈風帝ライザー》のバウンスによって離れたとき効果の発動を許さない除去も可能です。

ふわんだりぃず×らいざぁ

なので、後手まくりを意識するんだったら《拮抗勝負》や《朔夜しぐれ》とか入れればいいんじゃないですかね。というかどうしてこのデッキには入ってないんだ、《拮抗勝負》はSRだぞ

先手を意識するならば、このデッキで少し苦手としている【ゴーティス】を意識するといいでしょう。こちらのターンにガンガン動き、《えんぺん》のロックを潜り抜けながら《最果てのゴーティス》で全除去を飛ばしてくるあの魚どもは、一度展開を通してしまうとかなりリソースの取り合いで辛い戦いを強いられます。このデッキにも《ふわんだりぃず×すのーる》を入れているので、これを先に立てられたら負けることはないんですが、更に強く出るために《ハーピィの羽根吹雪》《神の警告》などでモンスター効果を止めにかかるのは大いにアリでしょう。

このフェス、『無効』という妨害は貴重なんです

先ほどチラッと触れましたが、《ふわんだりぃず×すのーる》はあまり話題になる機会はありませんが、ハマれば強力なカードです。このフェスに限らず私は【ふわんだりぃず】デッキに1枚挿ししているぐらい好きなカードです。

召喚権追加は流石にインクの染みになりがちですが、守備貫通効果に、相手のモンスターをほぼ全部裏守備にしてしまう効果は、相手の妨害効果持ちモンスターを無効にするのみならず、シンクロ・エクシーズ・リンク召喚に有効な強力な妨害です。

このフェス内では融合召喚主体のデッキが存在しないのも《すのーる》にとっては追い風。URなので大きな声では勧めづらいのは難点ですが、『相手の妨害をしながら』『ゲームスピードを速める』という役割はコントロールデッキにおけるこのテーマにおいて非常に合致したコンセプトのカード。既に【ふわんだりぃず】を組んでいる人は騙されたと思って1枚挿ししてみてください、貴方が思っている5割増しの活躍はしてくれるナイスカードになるでしょう。

実は主人公。だからUR。

終わりに

ということで、フェス対応【ふわんだりぃず】の紹介でした。

害鳥とか散々な言われようのテーマですし、正直そこについて言い返す気はないんですが、その悪評もプレイングの簡単さとメタを潜り抜ける特殊性あってのもの。勝てば官軍です。

渡り鳥よろしく環境にマッチしたテーマであることは間違いないので、相手の竜や魚を啄んでやりましょう。

ただ・・・このデッキについては非常に大きな弱点があってですね。

特殊召喚系のフェスミッションを回収できません。

・・・もう、ここについては覆りません。他のミッションをすべて回収した奇特な方か、【氷結界】に故郷に滅ぼされた方は是非お使いください。最後の最後に可愛いとこ出ちゃいましたね、そういうことで鳥も肩身狭いんです。あんまり叩くのはやめてください、こいつも過酷なデュエルをしているんだ。

デッキリスト

・メイン

《ドロール&ロックバード》×1

《ふわんだりぃず×ろびーな》×3

《ふわんだりぃず×いぐるん》×3

《ふわんだりぃず×すとりー》×2

《ふわんだりぃず×とっかん》×2

《烈風帝ライザー》×1

《ふわんだりぃず×すのーる》×1

《ふわんだりぃず×えんぺん》×1

《サンダーボルト》×1

《ハーピィの羽根帚》×1

《心変わり》×2

《強欲で謙虚な壺》×1

《強欲で金満な壺》×1

《ライトニング・ストーム》×1

《ジャック・イン・ザ・ハンド》×2

《金満で謙虚な壺》×1

《ふわんだりぃずと謎の地図》×1

《ふわんだりぃずと未知の風》×1

《月の書》×1

《帝王の烈旋》×2

《墓穴の指名者》×2

《抹殺の指名者》×1

《積み上げる幸福》×2

《無限抱擁》×3

《神の宣告》×3

・エクストラ

任意のカード×15

カードゲーム備忘録② 青単クロック

こんにちは、カタストです。

前回の記事をご覧になられたかたは多くないでしょうが、一言で言ってしまうと『相手のデッキを2枚ずつ削るのを20回ぐらいストックして勝つ』という陰湿極まりないデッキを紹介してしまいました。初回からこんなことでは先が思いやられます。

前回とのバランスをとるためには、せめて『相手を殴って倒す』デッキをお勧めしたいところなのですが、実のところ、最近の強いデッキって『結果的に殴って倒しはするけど、その前に相手のリソースを削り切るのが実質的な勝ち』みたいなデッキって多いんですよね・・・。あるいは速度に振り切ったデッキか。

後者はともかく、リソース削り切って勝ちという形をとると、前回の闇を払拭しきれない懸念があります。相手としっかりライフのやりとりをして、なおかつ新カードの影響を受けたデッキを考えましょう。ウサギやハツカネズミのような種族デッキも悪くないですが、今回紹介するのは私が長いこと新カードを継ぎ足しながら使っている青単クロックの現在使っている型を紹介します。

ネタバレ:採用されてません

デッキ紹介

まず、デッキの全容はこのようになっています。

ほとんどがクリーチャーとインスタントと土地、というかなりシンプルな構成ですね。そうでないカードは《青の太陽の黄昏》2枚のみです。クリーチャーについても、インスタント・ソーサリーのマナを軽減するか、墓地のインスタントに応じて自身が軽減されるかの2種類しかないので、目指すところはこの画像からも分かりやすいはずです。

それでは、キーカードについて話していきましょう。

《傲慢なジン》・《岸無き海、エルージュ》

フレテキでも傲慢な事言ってる

手前の船がエルージュだと思ってました


このデッキのエンジンにもなるクリーチャー2体です。双方打点になりながら、インスタントやソーサリーのマナ・コストを軽減してくれます。

《ジン》については飛行持ちなのでブロックされづらく、軽減効果は生きている限りずっと続くので連発を可能にします。《エルージュ》はジンの様な小回りこそ利きませんが、色マナを軽減させてくれるので0マナでインスタントを唱えることを可能にしてくれます。ひとたび生き抜いた際の影響は尋常ではありません。

この二人を以下に使い潰すかがこのデッキの至上命題と言っても差し支えありません。

《妥当な疑惑》

『容疑をかける』っていう言い回しは少し好き。

2マナで追加2マナを要求させるタイプの不確定カウンターです。《かき消し》入りのデッキが環境に跋扈していたのも記憶に新しい方も多いかと思います。

このカードの明確に《かき消し》より勝る点が容疑をかける能力です。容疑とは『威迫を持ち、ブロック出来ない』というステータスのことですが、積極的に相手の顔に手をかけに行くこのデッキでは、この効果を活用します。

相手のデカブツや接死持ちをブロック不能にすることもできますし、《ジン》は威迫を持つことでほぼブロック不可能に。

エルージュの軽減効果は『攻撃を行い』『生き残ってこそ』価値の生まれるものなので、このカードの価値は高まったと言っていいでしょう。序〜中盤では八面六臂の活躍をするものの、引き込むのが遅いと相手のマナが潤沢になってしまい、このカードの価値が薄れてしまうので《三歩先》《衝動》などで自分の手札以外の場所に存在することを維持ししましょう。墓地に落ちる分には居るだけで仕事してくれますしね。

《渦泥の蟹》

多分蟹の中でもタカアシガニ

墓地にあるインスタント・ソーサリーの数だけ軽減されるおっきいカニです。大型クリーチャーの枠を取る場合、今までであれば《トレイリアの恐怖》を使っていたわけですが、このデッキではそれを押しのける形で採用枚数を取っています。

軽減込みの最低マナコストや護法持ちでないところこそ《恐怖》に劣っていますが、それ以外は負けているところが存在しないといって良いぐらいの立派なフィニッシャーです。瞬速持ちなので相手ターンに飛び出してきて、相手ターンではタップインなものの2体タップは一回のブロックより大きく相手の速度を阻害する上、次の自分の攻撃を通しやすくします。

自分の速度をブーストしながら相手を邪魔しているわけで、このカードは青のクロックパーミッションというコンセプトに合致したカードです。インスタントの枚数を見て4枚採用とはいきませんでしたが、《恐怖》や《エルージュ》などを調整する形で枠を増やしても悪くないと思いますよ?

デッキの動き方

動きそのものは非常にシンプルで、バウンスや打ち消しで相手の行動を阻害しながら墓地を溜め、《ジン》や《蟹》のバリューを上げに行きます。相手が息切れを起こしたら後はずっとこちらのターン。打ち消しや打点の押し付けにより相手の全ての行動にケチをつけられるようになるので、主導権を一切渡さないうちに気付けば相手のライフが0になります。

なので、重要なのは『いかに相手を息切れさせるか』という部分になります。打ち消しというのは、相手の行動を許さないので非常に強く見えますが、その実態は『強制的に1枚で1枚を止める』というもの。どうでもいいカードまで止めていたり、継続的なドローをされてしまうと息切れするのはこちらです。

こういうカードは置かれるだけで辛いんです

クリーチャーであれば《蟹》で動きを止めたり《ジン》で無視しながら相手のライフを責め立てに行けるかもしれない。除去であれば、次弾を装填できそうなら結果的に打ち消しを残した状態を継続できるかもしれない。大切なのは『相手のデッキを推測しながら決定的なカードを止め続ける事』です、ここばかりは使う人の経験がモノを言いますね、実際私も常に実践できてるとは思えません。

それと重要なことが『手札の枚数』です。打ち消しが『強制1:1交換』なことは説明したと思いますが、そうなれば当然のことながらそもそもの撃てる回数を増やすことには大きな意義はあります。青の2マナを維持しながら『強そうなカードが出そうなら《妥当な疑惑》を、大したことなさそうなら《衝動》でキーカードを引き込みに行く』みたいな両待ちの姿勢はこのデッキの理想形です。極力相手の行動に裏目を作りに行き、その裏目の通りに動けるようにしたいですね。

終わりに

ということで、青単クロックの紹介でした。クロックパーミッションは、コンセプトはシンプルながら相手の行動によって幾らでも不正解が生まれうる奥深いデッキなので、コンセプトに合致するカードが来るたびにデッキのカードを調整している愛デッキです。

極論インスタントとクリーチャーのバランスが良ければどんなカードでも入れられる、非常に間口が広いデッキなので、皆さん好みの配合を見つける楽しみもあるでしょう。かくいう私も主流であるところの《知識の流れ》を《思考への侵入》に入れ替えて使っていますが、これが意外と強いんだ。使えば分かります、きっと。

噛むほどに新しい味が出るデッキです。これを機に青単の良さを分かってくれると幸いです。

デッキリスト

クリーチャー

《傲慢なジン》×3

《岸無き海、エルージュ》×3

《トレイリアの恐怖》×2

《渦泥の蟹》×3

呪文

《洪水の大口へ》×4

《三歩先》×4

《手練》×4

《衝動》×4

《妥当な疑惑》×4

《速足の学び》×3

《思考への侵入》×2

《青の太陽の黄昏》×2

土地

《島》×22

カードゲーム備忘録① 黒緑t赤ランプ(清掃人コンボ)

こんにちは、カタストです。

カードゲーム備忘録と題して、日頃やっているカードゲームについて、情報を発信したり、得た情報の感想を言っていく、ゆるりとした日記を始めました。

私がやっているのはMtGアリーナ(基本的にスタンダードのみ)、遊戯王(MDが主だが、紙もある程度触れている)、デュエマ(紙のみ)なので、その辺の話題が中心になるでしょう。

ただ、どれも決して長い事やっているわけではないので、話題としてはどうしても浅いものになってしまうかもしれません。

一個人の経験をだらだらと書いていくだけなので、気張らずゆっくり眺めていただけると幸いです。

今回は、アリーナにて私が組んだデッキを書き留めようと思います。その名も黒緑t赤ランプ。キーカードの名前を付けるなら清掃人コンボ。

時はブルームバロウ発売から間もなく。スタンダードでは2年ぶりのローテーションが行われ、『使用できるカードが少なくなる』という経験を初めて経た人もいるのではないでしょうか。それに伴い、当然弱体化したデッキもあります。

その内1つが世界魂ランプ。またの名前をティムール・アナリスト。フェッチランド(デッキから土地を持ってこれる土地)を墓地に落とし、《事件現場の分析者》や《世界魂の憤怒》などでそれらを吊り上げ、大量のマナアドバンテージで圧殺するデッキです。

タフネスも優秀

除去もランプもしなきゃいけないのが憤怒の辛いところだな



色についてはメインの色もサブカードの色もかなり派生がありますが、ティムール(青赤緑)が墓地肥やしの性能やドローによるコンボの達成力が好まれ、もっとも使われていた印象があります。

しかし、フェッチランドの中でも『置くだけで効果が起動できる』オートフェッチランドとも言うべきニューカペナの土地サイクル、解析者のリメイク元《見事な再生》が消えたことにより、このデッキは大きな弱体化を受けました。

トライオームじゃない方。でも強い。

君ZNRのカードと同居してたんだっけ?

これらの経緯もあり、大幅な弱体化は受けましたが、実のところブルームバロウで得たものも非常に多くてですね。今回はそんなランプデッキの新たな形になります。

ランプではありますが、全く別のデッキに仕上がりました。弱くなったところも、強くなったところもあるので併せて解説していきたいと思います。

デッキ紹介

デッキの全容はこんな感じです。80枚デッキになってますが、墓地の量もデッキの量も重要なデッキであり、なおかつカード間のシナジーもかなり強力なので、これ以上多くも少なくもならないと思います。(スマホ用のカードリストは末尾に掲載します)

このデッキの大元である《世界魂の憤怒》への依存度を大きく下げ、メインとなる色は黒と緑の2色で仕上がっています。赤マナ源は山ピン刺し。世界魂を撃つ直前ぐらいのターンに置くだけで自由が利きます。そのため、基本土地ベースでかなり安定したゲーム運びも可能です。そもそもフェッチランド自体が安定性を担保しますしね。

採用枚数は非常に多いので、今までのデッキと異なるカードに絞って解説しましょう。

《清掃人の才能》

黒い才能で皆が覚えてない方

最初に紹介しますが、このデッキの名前にも刻んでいる《清掃人の才能》こそが、フェッチランドを用いたランプデッキを全く別の代物に仕立て上げています。

エンチャント-クラスであり、マナを注ぐことで三段階の出力を持つわけですが、このデッキでは全ての効果を存分に活用します。

まず注目してほしいのがレベル2の切削の効果。パーマネント1つを生け贄にするたび2枚切削。つまりフェッチランドを切れば2枚切削。しかもプレイヤーを問いません。先ほども説明した通りこのデッキは墓地にある土地を何度も蘇らせることでアドバンテージを獲得します。

つまり、『序盤から中盤にかけては自分の墓地を肥やしてコンボの準備』『終盤は相手を切削して実質的な火力カード』として扱えるわけです。もうこのカードが凄いことしてるって伝わってきたでしょう。

レベル3の効果も、墓地を積極的に肥やすこのデッキには欠かせない効果。《分析者》や後述する《ルムラ》をよみがえらせることで、これもまた大量のアドバンテージを生みます。しかもこの時のコストもレベル2のトリガーになるわけです。つまり6枚切削します。

一番控えめなレベル1の効果も、生んだトークンをレベル3のためのコストとして多用します。

このデッキの潤滑油でありながら、リーサルウェポンであり、そのための着火剤も自分で用意してるわけです。このデッキに大谷翔平が居るとしたら間違いなくコイツです。

《森の轟き、ルムラ》

森のくまさん

土地を大量復活させる大型クリーチャーです。《見事な再生》は《分析者》のリメイク元ですが、《分析者》は《ルムラ》のリメイク元なんじゃないでしょうか。どっちも計6マナで土地を大量復活させてますしね。

このカードの売りは、サイズとETB能力で土地を復活させられる点ですね。出るころにはパワータフネスが二桁なことも珍しくないので単体のクリーチャーの攻撃は大抵シャットアウト出来るうえ、毎ターン攻撃すれば大体クリーチャーを1体持って行ってくれます。素のコストが重い代わりに場に出ただけで土地を復活させられるので、踏み倒しでも復活能力が誘発します。《清掃人の才能》や《もがく出現》など、踏み倒し手段は少なくないので立派な長所です。

《見事な再生》と異なり、《復活した精霊信者、ニッサ》でサーチ可能なエレメンタルなのも優秀。このカードもまた、デッキに非常にかみ合った一枚です。

《洞窟探検》

洞窟は一枚も採用されておりません

ローテーションの傷を埋めるべく、急遽メインパーツとなった3マナエンチャントです。ローテ前では決して必須ではありませんでしたが、このデッキにおいてはかなり依存度が高いです。

というのも、『ニューカペナの街角』のフェッチランドは出るだけで生け贄に捧げられたところ、《進化する未開地》や《寓話の小道》はタップインすると生け贄に捧げるのは次のターンになります。《未開地》だとサクリファイス後に出てくる土地もタップインですからね。『街角』のフェッチランドはライフ回復までしてましたからね。この傷が一番大きいのです。

土地がアンタップする、という以外の仕事は特にありません。ただ、《未開地》たちの仕事が2ターン速くなるも同然なので、《清掃人の才能》と同様、置ける時に積極的に置きたいエンチャントです。

デッキの動き方

このデッキで勝つために基本となる盤面は《復活した精霊信者、ニッサ》+《洞窟探検》+《清掃人の才能》の3枚を並べることです。3枚、というと非常に要件が高いように感じると思いますが、3枚中2枚がクリーチャーではないパーマネントであること、墓地という公開領域を積極的に使用できることから、3枚揃える難易度はそこそこに収まっています。

ニッサ》の能力で手に入る《分析者》か《ルムラ》を出すことで、大量の土地とマナを確保し、土地を生け贄に捧げることで相手のデッキを削っていきます。

このデッキには12枚のフェッチランドが入っています。たいていの場合、マナさえ確保できていれば《清掃人の才能》はレベル3まで到達していることでしょう。最低でも2回は土地復活の効果を起動できるはずです。

復活を2回、平均してデッキの3分の2である8枚の土地を復活させられたなら

最初の復活:16枚+《清掃人の才能》の起動コスト:6枚 + 2回目の復活:16枚 =38枚

のデッキを削れることになります。1ターンでこれだけ削るのみでも60枚デッキに対して勝利は可能でしょうが、1度の復活枚数が多かったり、2枚目の《清掃人》が起動できていたり、3回目の土地復活効果を起動できていたならばさらに60枚を超えるデッキにも悠々勝利できる枚数を削れることでしょう。

分厚いデッキの特色として、豊富なサブプランも挙げられます。

《世界魂の憤怒》や《極悪非道の盗人》は勝利が可能なカードでありながら道中で使ってもアドバンテージを稼いでくれます。《玉虫色の蔦打ち》はパーマネントなので墓地から吊り上げることで仕事をさせることができるうえ、10回の上陸で初期ライフを削り切れるので効率は最大です。

インスタントなのもこのデッキにとって都合がいい。

普通に1マナが削っていいライフ量を超えてませんか。


ただ、《憤怒》や《盗人》は非パーマネントゆえのゲームの絡めづらさ、《蔦打ち》はトドメのターン以外はチクチクバーンを与えるしかないひ弱なトカゲであることを加味すると、これらを増量するかどうかは個人の裁量に任せる形になると思いますね。

終わりに

という事で、清掃人コンボの紹介でした。

初紹介がLOを軸とした結構陰湿なデッキになってしまいましたが、非常にシステマチックで好きなデッキに仕上がってます。

とはいえ、多くの領域を使用するコンボデッキの宿命として急所も多いデッキです。スピードが少しでも遅い相手にはコンボを決めて(或いは決められずとも)ムシャムシャできるデッキではありますが、アグロに対して勝つには手札要件が非常にシビアになるデッキです。

80枚デッキという事で、チューニングの幅は広いデッキです。適宜即したカードを入れることで環境に適応していきましょう。

デッキリスト

クリーチャー

《かじりつく害獣》×4

《玉虫色の蔦打ち》×2

《事件現場の分析者》×4

《復活した精霊信者、ニッサ》×4

《森の轟き、ルムラ》×3

呪文

《アーボーグの奪還》×3

《清掃人の才能》×4

《泥沼の略奪》×2

《洞窟探検》×4

《もがく出現》×4

《シャンダラーへの侵攻》×3

《強靭の徳目》×4

《世界魂の憤怒》×2

《極悪非道の盗人》×3

土地

《沼》×7

《山》×1

《森》×7

《ジャングルのうろ穴》×4

《花盛りの湿地》×2

《地底の遺体安置所》×1

《寓話の小道》×4

《広漠なる変幻地》×4

《進化する未開地》×4

初記事 自己紹介

はじめまして、カタストといいます。

新社会人になって始めたいことの1つがブログだったので、この度開設させていただきました。理由としては、自分が得たり知ったもののアウトプットをすることで改めて整理が出来そうだと感じたからです。

ということで、私のブログは勉強の成果とか、趣味の話とか、直近会ったこととか、非常に煩雑になるかもしれませんが、もし覗くことがあれば大目に見てください。

思い立ったが吉日的に始めたので、何も定着せずに自然消滅するかもしれませんが、それもご愛嬌という事で。

自己紹介・ブログを始めたきっかけ

ここで終わるのもなんなので、自分の来歴を軽く話します。

2000年生まれ。生まれも育ちも神奈川県逗子市です。

小中高大と私立の学校を通っているので、世間一般からしたらかなり優遇された人間かも知れません。自分で言うのもなんですが、通っている学校の偏差値もかなり高かったです。

ただ、筋金入りの勉強嫌いということもあり、学校の成績は芳しくなく、よく教師にあきれられていた思い出もあります。

大学では数学を、特に統計学を学習するも1年留年し、5年通った末に、大学で学んだことをあまり活かせない設計系のエンジニアに。
自分の業務分野は設計と直接かかわることはないものの、やはり初めて学ぶことばかり。さらに大学で統計の学習の一環で使っていたpythonに業務上触れる機会があったものの、学習で使うのと仕事で使うのとではまるで別物でてんやわんや。

毎日が学びと試行錯誤で、職場の人たちには正直迷惑をかけてばかりです。

そういう日々からいち早く脱出するために、『ブログ』というツールを利用することにしました。

先ほども言った通り、私は勉強嫌いで、何事も定着しない人間です。ここに書くこともある日途絶えるかもしれません。

趣味、雑事、勉強。とにかく、日頃あったことをこのサイトに書き留めていくつもりで、積み上げていこうと思います。